グランドを締め込むと徐々に潤滑剤が抜けていきます
知っておきたいグランドパッキンの基礎知識
パッキンの組成:繊維+潤滑剤
編み込まれた繊維に潤滑剤を含ませてる
潤滑性能の高い繊維(カーボン・グラファイト・PTFE等)を高密度に編み込む
※編込密度が低いと浸透漏れを起こす
新品のグランドが漏れるまでの経過…
1
2
最終的に潤滑剤は枯渇してしまうと寿命を迎える
3
潤滑剤が無い状態では漏れ量の調整が困難になります
また摩擦抵抗が上がり軸(スリーブ)の摩耗が促進する
グランドパッキンが漏れるまでの経過図
グランドパッキンには、回転機用とバルブ用が存在
回転機用
漏れのコントロールを行う(1秒1滴の漏れ量が理想)
⇒潤滑・温度上昇を防ぐ為、多少の浸透はOK
バルブ用
限りなく漏れを止める(PPM単位での漏れをも防ぐ)
⇒高密度もしくは閉塞剤の使用で浸透漏れを防ぐ
※回転機・バルブ併用のパッキンもございます
理想のパッキン本数は5本程度(ポンプ・バルブ共通)
ボックス内の圧縮圧力の分布図
5本より奥のパッキンにはグランド押さえの圧力が届かず圧縮が不十分に
本数が多いとパッキンに必要な圧縮圧力が分散されるため
5本以上になる場合は、ブッシュなどで奥の隙間を埋めましょう
パッキンの本数が多いのに漏れが止まらないのはこれが原因です
メンテナンス回数削減の為に必要な、
理想的なグランドパッキンの選定
01
潤滑剤の含有量が多い
潤滑剤が無くなるとグランドパッキンは寿命を迎えます
⇒グランドパッキンの寿命は潤滑剤の量で決まります
⇒軽いグランドパッキンはスカスカなので寿命も短い
02
自己潤滑性の高い繊維を使用
繊維自体の潤滑性能が高い為、潤滑成分のロスが少ない
⇒グランドパッキンの体積減少を抑える事が可能
⇒増し締め自体が少なくて済む
03
耐熱・耐薬品・はみ出し抵抗が高い
選定の際に適用範囲が広く、幅広い流体に使用可能
⇒選定ミスの防止
⇒工場在庫をスリム化